昨年のリーグ覇者は今年も強敵か(中日):3-5

先発はセドリック。一見して、昨年より太った感じを受けました。ストレートにあまり威力が感じられず、カーブも切れていませんでした。一回表、(チームとして)苦手の荒木に安打され、その後井端の左前安打で、荒木にウィットの緩慢な守備の隙を付かれ、三塁まで進塁されてしまいました。続く立浪にきっちりと犠飛を打たれ、あっさり失点。セディも立ち上がりということもありましたが、『何となく』の積み重ねで失点したように見え、今年も中日は強敵だという印象を受けました。
セディは下位打線にかかる回はしっかり抑えられていましたが、三回にはウッズに打って下さいといわんばかりの球を投げ、ものの見事に本塁打されるなど、上位打線には捕らえられているところが心配で、今回はたまたま調子が最悪だった、ということで済めば良いのですが。
その他、序盤では大友の一塁ゴロに見えた打球に対して佐伯の追い方の足取りが鈍く、二塁打にしてしまったように見えました。
攻撃に目を移すと、一回裏の攻撃で、石井が左中間に長打を放ち、三塁を狙ったが中日の見事な走塁に阻まれアウトに。シーズンならお目玉となるようなプレイであっても、オープン戦ということで、自分の走力、相手の守備力を見るには良い機会をうまく利用、と、ベテランらしいお手本となる好走塁を見せてもらいました。しかし、序盤の攻撃の見所はその程度で、後は中日先発の山井に歯が立ちませんでした。
六回からはルーキー岸本が登場、いきなりウッズを迎えましたが、全くストライクが入らず、四球。傍から見ていると、こういうときにストライクを取りに行かなければならないと思うのですが、なかなかそうはうまくいかないのが世の常なのですね。この回は、谷繁に153km/hを中前適時打され、一失点と残念な結果に終わりました。岸本については、見ていて思うことですが、素材は魅力的なのですが、色々憶えていないといけないことがあるように思います。即戦力というよりは、まずは二軍で先発として使ってみて欲しいな、と思うのですが、いかがなものでしょう。
七回表は、私の数少ない楽しみである門倉タイム。いきなり森岡に中堅に打たれ、そこにいた古木がゴロのボールを後ろにそらして森岡に三進を許す、という出だしで驚きましたが、後続を難なく退け無失点と貫禄の投球。
中日は、六回裏から捕手に小山良男が登場。野中に盗塁を許していましたが、無難に守りました。また、七回裏は投手が山井から石井裕也へ交替。私としては石井-小山という夢のバッテリーが横浜で見られて、少し両方とも横浜の選手でないことは残念でしたが、非常に嬉しく、この日一番の見せ場を作ってくれました。落合監督に感謝。
さて、その石井は、いきなり鈴木尚にプロの洗礼たる中堅越えの二塁打を浴び、一失点後、走者を一人置いて相川に真ん中に投げて右翼へ被本塁打で都合三失点。残念な結果に終わってしまい、その後の八回一イニングを無失点に抑えた高橋聡と対比すると、開幕一軍は遠のいたのかも知れません。ただ、スリークォーターから143km/hを出しており、魅力の大きな投手であると思いました。
横浜は八回にホルツ、九回はクルーンと、外国人投手がスタジアム初登場。ホルツはスリークォーターからのストレートと抜いた球で、コントロールは良かったです。クルーンは、ボールがとにかく速く見え、また、実際150km/hオーバーをコンスタントに出していました。小山のバットを折るなど、球威もあるようでした。ただ、コントロールがイマイチという感じで、対戦した打者もレギュラー級ではなかったので、果たしてこれが主力打者だとそう簡単に手を出すか、あるいは、走者を背負って同じレベルのストレートが投げられるのか、ストレート以外は使えるのか、など、分からない点もありました。でも、見ていて何か楽しさを感じられる、ということで、存在感のある選手だと思いました。
スコアや勝敗や所詮オープン戦だと思っていますが、それでも、中日は今年も強いなという印象を受けました。ただ、中日の強さはそれぞれがプロとして当たり前のことをできていることによる積み重ねでできる地道な強さなので、横浜もそういう目をもって野球をやって頂ければ良いと感じました。そんな横浜の中では、代走で出場の野中が盗塁を決め、また、遊撃の守備についてからもファインプレイをしており、今後ともそういう「当たり前の積み重ね」を期待できるかな、と思いました。