教育リーグ:巨人(ベイスターズ球場)5-0

2005年神奈川で初めてのベイスターズ(シーレックス)戦が見られる、ということで、降雪さえ予想される寒さと長浦特有の頻繁に風向きの変わる強風の中、ベイスターズ球場へ行ってきました。観客はバックネット裏の座席は8割がた埋まっていました。スコアブックをつけている観客も結構目に付き、追浜あたりとも少し雰囲気が違いました。

南の奮闘

さて、試合では、南が目立ちました。まず1回の表走者一塁の時の守備で、右翼前安打を捕るや否や三塁へ送球し、一塁走者をアウトにしました。逆に、自分が二塁走者になると、西崎の投手強襲安打でボールがファウルグラウンドへ向かって点々とする間に、本塁カバーが不在と見ると一挙に本塁を陥れる、という好走塁を見せました。また、打撃でもこれが南かと見紛う見事な右打ちで安打を放ちました。多分三安打放っています。実は一軍争いのダークホースになるくらいの成長を見せたのかな、と思いました。

桑原は結構使えるか

次に目に付いたのは、日大卒の新人桑原義行です。まず、ネクストバッターズサークルで待っている間の素振りというかウォームアップ動作でのスイングが、独特で面白いバットの動かし方をしている。文章では非常に説明し難いのですが、ガルシアパーラの打席での仕草と同じくらい独特で、一度見る価値はあると思います。初打席では右前にエンドランを見事に決める、その他も、投手強襲安打を放つ、風向きが違えば本塁打かもしれない強烈な打球を左翼に放つなど、器用で意外なパンチ力もありそうな、波留敏夫と言ったら褒めすぎですが、結構期待を持てる打者でした。

観客の注目は石川

横浜高校卒の新人石川雄洋が6回の守りから出てきましたが、アナウンスされた瞬間、他の選手には起こらなかった歓声が上がりました。同時に交替した門倉は拍手もまばら。立場無くかわいそうでした。さて、守備は不可もなく無難にやりました。打席は二度あり、一度目はボールが全く見えておらずただ強振するだけ。三振(空振りか見逃しかは失念)でした。二度目はどうするかと思ったら、一度目と全く同じように強振してくる。それでも、今度は一打席目になかったファウルも出る。そして何より、フルカウントからの右翼線上へのファウルは、結構強い打球がフェアゾーンぎりぎりのところへ飛び、観客からこの日一番の歓声が上がりました。それでも最後は見逃せばボールであろう球に手を出し、空振り三振。同じ高卒ルーキーとして比べると、石井義人あたりの方がこと打撃に関しては優れているかと思いました。やはり、一軍のチャンスを得るには守備や走塁をはやいところ上達させて欲しいものです。でも、空振りばかりにも関わらず、空振りを恐れず強振する姿に、プロ向きの強気の姿勢を感じました。

投手陣

先発は土肥。ストレート、変化球、コントロールとも申し分なし。巨人は一軍実績のほとんどない打者ばかりではありましたが、一軍クラスが出てきてもそうは打たれないのではないかと思うほどでした。今年も先発として昨年並みに活躍してくれそうです。
6回からは門倉。今年は監督からは先発と言われているため、最後まで投げきりました。ボールのキレは彼にしては普通。ボールが全体的に高めで、相手が打ち損じてくれたから結果を残したものの、果たして一軍相手に同じ内容で通じたかとすると、疑問の残る内容でした。無理に先発に使う必要はないと思うのですが、どういう結果になるか。昨年の場当たり起用に振り回された門倉の姿をどうしても思い出してしまうので、様々な意味で不安が拭い去れませんでした。どう起用するか、早くどちらかに絞っていただきたいものです。

その他

途中出場の新沼は右投手相手に右打席に入りました。左に入ったり止めたり、そろそろ首筋も涼しいだろうに方向性ははっきり決めた方が良いと思うのですが、右一本に戻す決意をしたのでしょうか。呉本は、この日調子悪そうに見えた鴨志田のカーブに全く自分のタイミングが取れておらず、打てそうな気配を感じられませんでした。木村がセフティバントを決めて内野安打など、地味に活躍していました。河野は右翼戦に二点適時二塁打。昨年同時期の活躍を思えばもっと活躍できる選手と思うので、バリバリとやって頂きたいものです。
巨人は、先発の西村が、走者不在の時はかなり威力あり低めに決まるストレートを投げていました。ちょうど一年前に広島の大竹を見て、走者がいなければセ・リーグ一の投手だと恐ろしく感じたのですが、そこまでは言い過ぎとしても、かなりの投手だと思います。ただ、走者を背負うと不安定になるのは若さかな、と思いました。また、先の西崎の打球を受け、その時点で途中交代。彼には不運でした。
また、佐藤という捕手が先発で出てきたのですが、投球をまともに取れない、強風とは言えファウルフライを落球する、直接失点につながるパスボール、先の南の好走塁のお膳立てとなるベースカバーの忘れと、プロとは言えないプレイの連続で勝手に試合を壊していたので、スコアはほとんど参考にならないと思います。

出場選手
D 河野
6 木村
5 吉村
2 小田嶋-新沼
9 南
3 田中充
7 西崎
8 桑原
4 呉本-石川
P 土肥-門倉