マスターズリーグ

斉藤明夫が打たれた、というのが私にとって最大のショッキングな出来事でした。それまでは出てくる人たちのパフォーマンスにほぼ満足しながら見ていたのですが、9回表だけは堪えました。開幕戦で見たようなボールのスピードはなかった。
先発は東京が増本宏、札幌が川口和久。有名な話だそうですが、和久は稲尾和久から取った名前。稲尾と言えば、今『神様、仏様、稲尾様―私の履歴書 (日経ビジネス人文庫)』を読んでいますが、かなり面白い。是非読んでみてください。
さて、川口が現役そのままの荒れ球で、東京の左打線を翻弄。球速こそ120km/h台ですが、腕のしなりがあり、ちょっとこれは打てないだろう、というレベルのボール。無失点を継続とのことですが、納得。一方、昨年のMVP増本は、それほど特徴がある、という感じではないが、全力で120km/h台、時折抜いた球(スライダー?)で交わす投球。
東京は二番手村田兆治の後、三番手で江夏豊が登場。フォーム的には広島時代*1からほとんど変わらず、それが印象深かった。攻撃では六回、代打で登場した高木豊が、これまた現役時代そのままの打撃で一二塁間を抜く安打。次打者のゴロで二封されますが、この回は辻発彦が中前に落とす安打で同点。尚、我らが駒田徳広は、川口から意地の安打をしたが、見せ場はそれだけ。
札幌は三回、高橋雅裕が一塁線を鋭く破る三塁打で先制。打撃、走塁とも素晴らしかったです。また、二番手の鹿取義隆も、点こそ失ったものの、これまた切れのあるストレートを投げ込んでいた。三番手の新浦壽夫は、変化球のスピードは現役のままだったような気がするが(笑)、その緩いボールで打者を幻惑していた。
東京ドームはライトスタンドの一部が何やら改装中の雰囲気で、そこは人が入れなかったのですが、それを除くと、外野、内野一階席は全て埋まっており、マスターズリーグでこんな光景は見たことがない、といった感じ。有料入場者がどれだけいたかは分からないが、崖っぷちで頑張っているという印象を受けた。

*1:私は南海以前の江夏は知りません