スタジアムのフェンスを下げる

日本の野球場でフェンスが高いのは、それ自体がファンサービスとこれまで考えられてきたからだと思う。真の野球ファンならフェンスが低くても注意していればぶつからない、というのが理屈なのだろうが、それは日本人的安全の考えに大きく反しているのではないか。このことはいずれ書かねばならぬか。

仕切りなおし(12/17)

日本の野球場でフェンスが高いのは、それ自体がファンサービスとこれまで考えられてきたからだと思う。真の野球ファンならフェンスが低くても注意していればぶつからない、というのは一見正論に見える。
ただ、野球のボールは、当たったら死ぬかもしれない危険がある。観客がそのような危険に巻き込まれうるスポーツ(興行)は野球とゴルフだけだと思うが、プロのショットなら、ゴルフボールはある程度飛ぶ方向の予測可能性がある。しかし、野球のボールはどのように飛んでいくのかはなかなか判断しづらく、観客によっては突然飛んでくる風に見えると思う。なんせプロの選手自身でさえ時々第一歩の反応を間違えるくらいなのだから。
でも、観客は素人である。素人にそこまでの判断を負わせ、もし怪我したら自己責任とでも言うのだろうか。これはちょっと日本で受け入れられる接客態度ではないように思う。この条件を満たせる人でないと野球が見られないとしたら、特に幼児、高齢者、女性一般、には球場での観戦はきつい、ということになってしまうのではないか。私は、野球観戦を「素人にはおすすめできない」状況にすることは、プロ野球ビジネスにとって非常にマイナスだと思っている。入場料はそんなに高く出来ない、TVには期待できない、広告効果も高が知れている、という状況では、入場者をある程度確保する以外に長期繁栄の道は開けていない。その状態で球場内にリスクを持ち込むことについて、不安を感じてしまう。
せめてやるにしても、三浦のようにグラブを配るサービスを球団自体が行う、今と比べ格段に目立つ注意喚起、などを毎日しつこくやらないといけない。私はあくまでこの施策には反対だが、やるのであれば、観客に対して細心の注意を払って欲しい。
そもそも私自身、ネットを観戦の邪魔だと思ったことはほとんどない。確かに、MLBではバックネット以外はないわけだが、そのことに特別何か感慨を持つことはなかった。MLBのスタジアムはファウルゾーンが狭くて、観客席からフェアグラウンドが近いことには感激したが、日本でネットを日ごろ見ていても、そんなに違和感を感じることは無い。